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深煎りコーヒーについて

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     コーヒーの味作りを考えるとき一つは生豆が持っている素性を素直にそして十分に引き出そうとする在り方で、もう一つはあくまでも自己表現としてのコーヒーを追求する在り方であると思います。ブレンドと単品でも変わってきますが現在はスペシャルティのシングルオリジン(ストレートをエリア、農園、品種等さらに特定化したもの)がブームのせいか前者に重きを置く風潮はあります。しかし、私が若い頃に訪ね歩いた名店にあっては後者に重きを置く店が結構ありまたその多くは深煎り派でした。

     単純にコーヒーというものを考えますと深く煎るに従って植物質の個性が減少し苦味だけの単調な世界になってゆきます。

     では、深煎りのコーヒーはどれもこれもが似たようなものかと申しますと現実はそうではなくその苦味の中に多彩さを示すものです。

     例えば、特に記憶に残っている店として東京の「外苑前」駅近くにあったDという店があります。濃度は中庸でおそらく誰が飲んでも抵抗なく飲めるものでしたがそこにはたいへん丁寧で慎ましやかに畳み掛けてくるような苦味があり深く心を打たれたものです。

     また、渋谷にVという店がありました。ここの深煎りは濃厚なものですが最初口に入るときはオヤっと思うほどぬるくて柔らかく、次の瞬間には度数の高いアルコールのような苦味がクヮッときます。そして最後に喉元をマイルドに通り過ぎるといったものでたいへんドラマチックな展開をみせていました。

     言葉にすればどこにでもあるような深煎りコーヒーに思えるかもしれませんが両店とも真似ができそうで決して真似のできない唯一無二のものを作り上げていました。そして、口には出さずとも「私にとって美味しいコーヒーとはこのようなものでございます」という店主のメッセージがカップに秘められていたものと思います。(現在は両店ともありません)

     

     さて、話を自分のことに切り替えますが私は深煎りを作るときは必ずしもスペシャルティ豆にこだわりません。

    スペシャルティ豆を使うとクリアで高級感は出るのですがキャラが強くてどうもしっくりこない。むしろ、スタンダード品の豆の方が味が自然体で個人的に馴染めるというのが理由です。ただ、これはあくまでも私の感じ方です。 


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      • 2019.08.08 Thursday
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